今冬の道内は、二十二カ所ある気象台、測候所などの累積降雪量の平均が平年比74%となり、一九六一年の統計開始以来、昨冬に次ぎ二番目の少雪だった。二十五日は札幌で「積雪なし」を観測。平年より九日早く根雪の終日となりそうだ。同日の札幌の最高気温も一五・一度と三月としては百十七年ぶりに一五度を超え、今季を象徴する一日となった。記録的な少雪は、例年北海道付近に発生する気圧の差の大きい部分が本州方面へ南下し、道内で雪が降りにくかったのが原因とみられる。
札幌管区気象台が昨年十二月から今年二月までの道内二十二カ所のデータを平均した結果、今冬の気温は平年並みだったが、昨年十月から今月二十四日までの累積降雪量をみると、釧路市で一八センチと平年に比べ一六九センチも少ないなど、軒並み平年を下回った。
三月は一転して気温が上がり、二十四日現在の道内の三月の日平均気温は、平年を三・〇度も上回っている。九〇年と二〇〇二年に、平年より二・三度高かった記録を更新する可能性が高い。
こうした少雪傾向と三月の高温の影響で、雪解けが急速に進み、根雪の終日は、根室が二月二日、室蘭が三月九日と、平年より四十日も早く、釧路は同三十九日、日高管内浦河町が同十三日と記録的に早まった。
一月以降、道央やオホーツク海側を中心に二度のドカ雪があったが、それ以外の降雪はほとんどなかったのが特徴だ。
少雪と三月の高温の原因について、同気象台は、「ラニーニャ現象と偏西風の蛇行が強まったこと」を挙げる。
同気象台によると、昨年十二月-今年二月は、ペルー沖の海面水温が低下するラニーニャ現象の影響で、降雪をもたらす気圧の差の大きな部分が本州方面へ南下。天気が崩れにくく、降雪量が増えなかったという。逆に三月は寒気が後退し、気圧配置が崩れたため、南から暖気が流入し、気温が上昇した。
(北海道新聞より引用)
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