札幌市東区で特別養護老人ホーム・身体障害者療護施設「ウィズ東苗穂」(定員計八十人)とケアハウス「ポプラ東苗穂」(定員五十人)を経営している社会福祉法人「シルバニア」の男性理事長(58)が、厚生労働省の指導に反し、同法人の資金一億円を不適切に支出した疑いがあるとして、札幌市が近く、同法人に対する特別監査に踏み切ることが十四日、分かった。
関係者によると、理事長は昨年五月、同法人の職員に指示し、札幌の医療コンサルタント会社の口座に一億円を振り込んだ。支出名目は向こう十五年分の「医療分野のコンサルタント料」などで、医療スタッフの紹介や派遣などを受ける業務委託契約書も交わした。
これに対し、市保健福祉局は《1》「百万円以上の契約は競争入札にかけること」との厚労省の指導に反し、入札が行われた形跡がない《2》多額の支出行為は事前に理事会に諮(はか)る必要があるが、理事長は支出後に追認を得ただけ《3》コンサルタントが実際に行われたか不明で、十五年という長期の契約も不適切-などと問題視している。
シルバニアは介護保険収入など経常収入の約二割にあたる一億円の支出により、職員給与に未払いの恐れが生じるなど危機的な財政状況に陥ったといい、市は「支出が法人の経営に重大な影響を与えた」との見方を強め、特別監査が必要と判断した。
シルバニアの理事長は北海道新聞の取材に対し、「コンサルタント契約は将来の老人保健施設建設に備えた措置だったが、法人の運営に影響を与え反省している。市から指導を受ければ改善したい」と釈明している。利用者への影響は出ていないという。
(北海道新聞より引用)
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