2008年3月28日金曜日

早い春、数字にくっきり 道内記録的少雪、3月高温 「ラニーニャ」など影響

今冬の道内は、二十二カ所ある気象台、測候所などの累積降雪量の平均が平年比74%となり、一九六一年の統計開始以来、昨冬に次ぎ二番目の少雪だった。二十五日は札幌で「積雪なし」を観測。平年より九日早く根雪の終日となりそうだ。同日の札幌の最高気温も一五・一度と三月としては百十七年ぶりに一五度を超え、今季を象徴する一日となった。記録的な少雪は、例年北海道付近に発生する気圧の差の大きい部分が本州方面へ南下し、道内で雪が降りにくかったのが原因とみられる。
 札幌管区気象台が昨年十二月から今年二月までの道内二十二カ所のデータを平均した結果、今冬の気温は平年並みだったが、昨年十月から今月二十四日までの累積降雪量をみると、釧路市で一八センチと平年に比べ一六九センチも少ないなど、軒並み平年を下回った。
 三月は一転して気温が上がり、二十四日現在の道内の三月の日平均気温は、平年を三・〇度も上回っている。九〇年と二〇〇二年に、平年より二・三度高かった記録を更新する可能性が高い。
 こうした少雪傾向と三月の高温の影響で、雪解けが急速に進み、根雪の終日は、根室が二月二日、室蘭が三月九日と、平年より四十日も早く、釧路は同三十九日、日高管内浦河町が同十三日と記録的に早まった。
 一月以降、道央やオホーツク海側を中心に二度のドカ雪があったが、それ以外の降雪はほとんどなかったのが特徴だ。
 少雪と三月の高温の原因について、同気象台は、「ラニーニャ現象と偏西風の蛇行が強まったこと」を挙げる。
 同気象台によると、昨年十二月-今年二月は、ペルー沖の海面水温が低下するラニーニャ現象の影響で、降雪をもたらす気圧の差の大きな部分が本州方面へ南下。天気が崩れにくく、降雪量が増えなかったという。逆に三月は寒気が後退し、気圧配置が崩れたため、南から暖気が流入し、気温が上昇した。

(北海道新聞より引用)

2008年3月23日日曜日

佐藤U-23代表に初招集 27日アンゴラ戦

日本サッカー協会は21日、北京五輪へ向けた強化試合のアンゴラ戦(27日・国立競技場)に臨むU-23(23歳以下)日本代表18人を発表し、札幌からGK佐藤優也(22)が初招集された。FWは平山(FC東京)が外れて興梠(鹿島)豊田(山形)が再招集された。欧州でプレーする選手は含まれていない。

 東京都内で記者会見に臨んだ反町監督は「今季のプレーと先の米国遠征など総合的に見て判断した。一皮も二皮もむけた選手がいる中で、相太(平山)はそこまでいっていない」と話し、アンゴラのフル代表との試合に「五輪本番のつもりでやる」と意欲を示した。

 初選出された札幌の佐藤は今季、8日のJ1開幕戦の鹿島戦から20日のナビスコ杯の柏戦まで3試合連続で先発出場している。佐藤はクラブを通じて「U-23日本代表に選ばれてうれしく思います。自分の力だけではなく、周りの人たちに支えられて選ばれることができたと思うので、支えてくれた人たちに感謝しながら合宿に臨みたいと思います」とコメントした。

 チームは24日から都内で調整して試合に臨む。
(北海道新聞より引用)

2008年3月16日日曜日

福祉法人理事長 1億円不適切支出か 札幌市、近く特別監査

札幌市東区で特別養護老人ホーム・身体障害者療護施設「ウィズ東苗穂」(定員計八十人)とケアハウス「ポプラ東苗穂」(定員五十人)を経営している社会福祉法人「シルバニア」の男性理事長(58)が、厚生労働省の指導に反し、同法人の資金一億円を不適切に支出した疑いがあるとして、札幌市が近く、同法人に対する特別監査に踏み切ることが十四日、分かった。
 関係者によると、理事長は昨年五月、同法人の職員に指示し、札幌の医療コンサルタント会社の口座に一億円を振り込んだ。支出名目は向こう十五年分の「医療分野のコンサルタント料」などで、医療スタッフの紹介や派遣などを受ける業務委託契約書も交わした。
 これに対し、市保健福祉局は《1》「百万円以上の契約は競争入札にかけること」との厚労省の指導に反し、入札が行われた形跡がない《2》多額の支出行為は事前に理事会に諮(はか)る必要があるが、理事長は支出後に追認を得ただけ《3》コンサルタントが実際に行われたか不明で、十五年という長期の契約も不適切-などと問題視している。
 シルバニアは介護保険収入など経常収入の約二割にあたる一億円の支出により、職員給与に未払いの恐れが生じるなど危機的な財政状況に陥ったといい、市は「支出が法人の経営に重大な影響を与えた」との見方を強め、特別監査が必要と判断した。
 シルバニアの理事長は北海道新聞の取材に対し、「コンサルタント契約は将来の老人保健施設建設に備えた措置だったが、法人の運営に影響を与え反省している。市から指導を受ければ改善したい」と釈明している。利用者への影響は出ていないという。

(北海道新聞より引用)

2008年3月10日月曜日

道路公益法人を半減 国交省改革本部、来月に最終結論

道路特定財源の不適切な支出などを見直す国土交通省の「道路関係業務の執行のあり方改革本部」(本部長・冬柴鉄三国土交通相)は七日、二回目の会合を開き、五十に上る道路関係公益法人を半減させる方針を決めた。このうち、批判が高まっていた駐車場整備推進機構は解散させる。天下り役員の人数も減らす考えで、外部有識者の意見を聞いたうえで、四月中に最終結論を出す。
 会合後、記者会見した冬柴国交相は「道路特定財源の支出に対する強い批判を重く受け止め、政治主導で(公益法人の削減を)行う」と強調。その上で「所期の目的を達したい」として、道路特定財源の暫定税率を十年間維持し、総額五十九兆円に上る道路整備中期計画を推進する考えをあらためて示した。
 削減対象は、道路特定財源から五百万円以上の支出のある公益法人五十法人で、道内はツール・ド・北海道協会、北海道オートリゾートネットワーク協会、北海道地域総合振興機構の三法人。
 五十法人のうち、北一条地下駐車場(札幌)など全国十四カ所の公設駐車場を独占運営する駐車場整備推進機構は、先行して二〇〇九年度中に解散させ、民間に委託する方針。
 ずさんな調査報告書の作成が問題となった国際建設技術協会には今後、道路特定財源の事業を発注しないほか、海洋架橋・橋梁(きょうりょう)調査会も道路保全技術センターに統合する。

(北海道新聞より引用)

2008年3月4日火曜日

無遅刻無欠席 最高齢78歳 札幌の越山せい子さん 札南高定時制で卒業式

道内の公立高校で一斉に卒業式が行われた一日、札幌市中央区の札幌南高校定時制普通科から、七十八歳の卒業生が巣立った。札幌市白石区の越山せい子さん。開校以来、最高齢の卒業生となった越山さんは四年間、無遅刻・無欠席だった。「せっかく勉強できるんだもの。休んだら、もったいない」。学ぶことを精いっぱい楽しんだ姿に、五十歳以上も若い同級生や後輩は、惜しみない祝福を贈った。(森貴子)
 午後六時。すっかり暗くなった校内で体育館だけが明るかった。
 家族や在校生ら約百人に囲まれた十八人の卒業生たち。その中に背すじをしゃんと伸ばした、はかま姿の越山さんがいた。
 「卒業証書、授与。越山せい子」。越山さんが壇上に上がった。少し照れたような笑顔。会場から大きな拍手が起こった。
 太平洋戦争中、東京の女学校に通っていた越山さんは、一九四五年三月の東京大空襲で家を焼かれ、教科書もノートも家も失った。命からがら生き延び、両親と一緒に、札幌で働いていた姉を頼った。結婚後も建設業の夫を支え、魚などの行商をしながら三男一女を育てた。「もう一度勉強したい」と願っていたが、かなわなかった。
 七十四歳の時、知人の教師から定時制を勧められた。不安を抱え、約六十年ぶりに学校の門をくぐった。夫や子供たちが背中を押してくれた。
 授業は月曜-金曜日の午後五時半から九時すぎまで。帰宅するのは毎日、午後十時半だ。四年間で約二十科目を学んだ。「数学や化学は歯ぎしりしながら机に向かった」と越山さん。風呂で英単語や化学式、年号を暗唱し、教科書やノートを何度も何度も読み込む。成績表は半分近くが「4」だった。
 四年間で得たのは、三十冊以上のノートと四枚の成績表。けれど、一番大きな宝物は「未来を夢見ること」だ。
 作文でも友達との会話でも、越山さんは「思い出話」しかできなかった。「みんなは夢や希望を語るのに。年を取って、いつの間にか自分の目線が過去で止まっていたことに気付いたの」。未来を考えてわくわくする気持ちを、もう一度取り戻したいと思った。
 今の「未来」は、大学進学。いつか挑戦したいと思っている。
 大学でまた新しい「何か」と出合えるかもしれない-。そう考えると、越山さんはわくわくする。

(北海道新聞より引用)